先日放送された「マツコの知らない世界」の「30代からの婚活」特集、ご覧になりましたか? テレビではさまざまな婚活のリアルが紹介されていましたが、あの番組を見て「婚活って本当にこんな感じなの?」と疑問に感じた方もいるのではないでしょうか。今回は、あの番組の内容を踏まえつつ、婚活パーティースタッフが見てきた実際の婚活市場の様子を、お仕えします。

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テレビが描く婚活と現実のギャップ

「マツコの知らない世界」に登場した方々は、SNS上でも大きな話題になりましたよね。特に印象的だったのは、年収300万円の男性が自分より高収入で容姿端麗な女性を求める姿。これに対しては「高望みしすぎ」「現実を見ていない」といった批判的な意見が多く見られました。

実際のところ、あの番組に出演されていた方々は、結婚相談所「マリーミー」の植草先生がプロデュースやアドバイスをされていたエキストラだったそうです。そのため、あくまでテレビ番組としての演出が多分に含まれていた可能性は否めません。正直なところ、テレビの「切り抜き」だけを見ると「変な人しかいない」と感じてしまうかもしれませんが、番組全体を通して見ると、また違った印象を受けるかもしれません。

ある結婚相談所の代表は、番組に登場した33歳女性(年収350万円、実家暮らし)は「結婚相談所にも普通にいるタイプで、成婚も可能」と述べていました。ただ、年下希望の場合、30代女性にとっては厳しい現実もあるものの、見た目を磨くなどの努力次第で可能性は広がるとのアドバイスもされていました。特に女性の場合、33歳は婚活において「ギリ」の年齢であり、28歳くらいまでが活動しやすいという肌感覚もあるようです。

一方で、年収300万円の飲食店アルバイトの男性や、年収200万円のラーメン店アルバイトの男性については、「結婚相談所には正直ほとんどいないタイプ」と断言されていました。これは、結婚相談所の入会条件や、お見合いが組まれるかどうかの現実的なハードルがあるためです。番組の演出が、結婚相談所の実態とは異なる印象を与えてしまう可能性もあるという点は、視聴者として理解しておく必要があるでしょう。

婚活市場における「市場価値」と生物学的本能

番組を見ていて強く感じたのは、婚活市場における「市場価値」という言葉の生々しさです。特に、男性と女性で相手に求める要素が異なるという生物学的な本能の話は興味深いものでした。

男性は自分より経済力のない女性に、女性は自分より経済力や社会的に影響力のある男性に魅力を感じる、という話。これは昔から言われていることではありますが、現代の婚活市場においても根強く残っている価値観だと感じます。男性の社会的価値は、お金だけでなく、顔や性格、仕事での成功なども含まれるとされています。

婚活パーティーでもそうですが、なかなか相手を決めきれない男性は永遠に20代の女性にアピールし、この時代においても男性が優位に立っていたいという方も少なくないと持っています。

また、身長の低い男性のコンプレックスや、マッチングアプリでの身長フィルターの存在も議論されていました。特に海外では高身長の男性を求める女性が多く、それが社会問題になっているケースもあるようです。SNSが普及し、女性が有名人や影響力のある男性と容易に繋がれるようになったことで、身近な男性ではなく、より「理想的」な相手を求める傾向が強まっているという指摘も頷ける部分がありました。

リクルートとマッチングアプリが変えた「仕事」と「結婚」の概念

岡田斗司夫氏は、リクルートを「平成の仕事探し、仕事という概念を破壊した本当に悪の企業」と表現し、さらに「令和の人生を破壊しようとしているのがマッチングアプリと結婚相談所」だとまで言い切っています。

彼の主張は、リクルートが日本の就職活動において、企業も学生も損をする中で唯一利益を上げている状況を批判するものです。そして、大学の入学試験で受験料が当然なのに、就職試験でお金を取ることが批判されることの矛盾を指摘し、これを「リクルートタブー」と呼んでいます。

この指摘は、婚活にも通じるものがあると感じます。マッチングアプリや結婚相談所が普及したことで、出会いの選択肢は増えました。しかし、一方で「市場」という概念が強く持ち込まれ、スペックや条件で相手を選別する傾向が加速している側面もあるのではないでしょうか。結婚という個人的な営みが、まるでビジネスの交渉のように「損得」で語られる機会が増えているのかもしれません。

現代の婚活は「決断」の連続

実際の結婚相談所では、スペックは高いものの恋愛経験が少ない人やコミュニケーションが苦手な人が多い傾向にあるそうです。また、婚活には平均で70万円程度の費用がかかると言われており、経済的な負担も無視できません。

そして、婚活は年齢が上がるにつれて難易度が高まり、特に女性は20代が最も活動しやすいと強調されていました。この現実を突きつけられると、焦りを感じる人もいるでしょう。

しかし、一方で「結婚は誓いであり、決断である」という意見も聞かれました。結婚相談所で性交渉が禁止されているケースがあることや、プロフィール詐欺などの現実がある中で、最終的には相手を信じ、共に歩むという「決断」が求められるのだと感じます。

「マツコの知らない世界」はあくまでエンターテイメントであり、婚活のリアルを全て映し出しているわけではありません。しかし、そこから見えてくる現代の婚活市場の課題や、男女間の価値観のギャップ、そしてSNSがもたらす影響については、深く考えるきっかけを与えてくれました。

婚活は決して簡単な道のりではありませんが、自分自身の価値観と向き合い、誠実に努力を続けることが、理想の相手との出会いに繋がるのではないでしょうか。

まとめ:30代からの婚活、焦る必要はないけれど、冷静な自己分析と行動が大切

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今回の「マツコの知らない世界」は、30代の婚活に対して「もう後がない」「やばい」「今すぐ結婚相談所に入って優秀なアドバイザーの意見を聞いて一刻も早く婚活しないとやばい」というような、ある種の恐怖感を煽り、結婚相談所へと誘導する意図が見え隠れする、テレビの悪い部分が出た番組だったように感じます。マツコさんもそのあたりの空気は理解しながら、テレビ側の人間として同調しているように見えました。

ただ、番組内で語られた「自分と釣り合った異性を探すべき」という部分には、全面的に同意できます。現代の婚活において、30代だからといって決して遅すぎることはありません。自分のスペックや見た目、年齢といった条件を冷静に認識し、過度な高望みをせず、真剣に相手を探していけば、必ず道は開けます。そのきっかけが結婚相談所であろうと、マッチングアプリであろうと、婚活パーティーであろうと、何でも良いのです。

重要なのは、テレビの煽り文句に惑わされず、自分自身の状況を正しく把握し、積極的に行動を起こすこと。そして、何よりも自分に合った相手を見つけるために、粘り強く活動を続けることだと思います。